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2004年7月20日 (火)

『魔術はささやく』宮部みゆき

4101369119.jpg宮部 みゆき (著)
魔術はささやく

第2回(1989年)日本推理サスペンス大賞受賞作。
何の関連もなさそうな3人の女性の死。事件にまきこまれたタクシー運転手の甥・守は、叔父を助けようと事故を調べるうちに、事件の真相に迫っていた…。

とても面白く、ページを繰る手が止まりませんでした。ただ面白いというだけではなく、読み終わったあと、じんわりと余韻が残ります。

社会派ミステリの体裁をとっているけれど、少年の心の物語、と言ったほうがしっくりくるような気がします。

女性たちの死の謎の解明がメインストーリーのように見せかけて、実は、主人公・守の生い立ちに関するストーリーの方がメインなのでは、と思いました。本当に書きたかったのは、事件の真相が明らかになった後にくる、最後のシーンだったのでは。
あなたなら許せますか?と読者に問いかけているようです。
守はどのような結論を下すのか。復讐のために守自身も魔術を使ってしまうのか…。守の心の中の葛藤が手に取るように描けていて、ドキドキしました。

主人公の守だけではなく、守を取り巻く人々、事件の加害者・被害者、その家族、など、登場人物の心理描写が巧みで、「罪」とは?「償い」とは?を考えさせられました。

複雑に入り組んだストーリー展開ですが、混乱せずすんなりと読めるのは、さすが宮部さんの筆力ですね。

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コメント

お早うございます 涼 です。

これを発見してとても嬉しかったです。
何故なら、この本が涼を宮部さんと結びつけてくれたからです。
トラックバックをつけさせて頂きました。自分のところで、勝手なお喋りをしています。

投稿: | 2004年7月21日 (水) 07:42

涼さん、こんにちは。

トラックバック、ありがとうございます。
「勝手なお喋り」大歓迎です♪

私が宮部作品を出会ったきっかけは「火車」です。雑誌かなにかの書評を見て、手に取ったと記憶しています。また再読したいと思っています。

投稿: Mana | 2004年7月21日 (水) 20:15

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