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2004年10月18日 (月)

『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎

4101250219.jpgオーデュボンの祈り
伊坂 幸太郎 (著)

-----[ あらすじ ]-----
警察から逃げる途中で意識を失った伊藤は、知らない場所で目を覚ました。そこは、言葉を話し未来が見えるカカシがいて江戸時代から外部と交流を断っている荻島だった。翌日、そのカカシがバラバラになって発見される。未来が分かるはずのカカシは、なぜ自分の死を予測できなかったのか?
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第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した、伊坂幸太郎のデビュー作。

ミステリー?ファンタジー??大人の童話???
現実的な部分と非現実的な部分がミックスされていて、哲学的な面も伺える、不思議な雰囲気を持つ小説でした。
どちらかと言うと、ミステリー色は薄めです。

ストーリーは淡々と進むのですが、作品の世界に引き込まれてどんどん読み進みました。作品に流れる優しい空気に包まれて、いつまでも優午(←しゃべるカカシの名前)や荻島のユニークな住人たちと会話を楽しんでいたい…そんな気持ちになりました。

ミステリーとしては、伏線の巧みさ、につきるでしょう。随所に散りばめられた伏線(読んでいる途中は、これが伏線だとはなかなか気がつきません)が、ラスト近くで一気に収束するさまには、ゾクゾクさせられました。伏線は非常にセンスがよくて、「ここにはあのピースがはまるのか~」と気が付くと、嬉しくなりますね。
トリックとしてはかなり強引だと思いますが、全く気にならなかったです。

温かくてちょっと切ないラストも、よかったです。

リョコウバトのことは、この小説で初めて知りました。
あまりに酷い話なので、これも作り話かと思いましたが、現実にあったことなのだ、と調べてわかりました。
衝撃を感じるとともに、人間の愚かさに腹が立って、悲しくなりました。
このリョコウバトがストーリーの随所に登場することから、著者の思いが感じられました。

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受信: 2004年10月18日 (月) 20:28

» 伊坂幸太郎じゃ [公衆小説]
本日の一冊はこれじゃー 『オーデュボンの祈り』――伊坂幸太郎 評価――★★★ [続きを読む]

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