« 山村(サンチョン)の白菜キムチ | トップページ | 『地味めしダイエット(2)』横森理香 »

2005年1月19日 (水)

『きれぎれ』町田康

4167653036きれぎれ
町田 康 (著)
文芸春秋・2000/07

収録作品
 『きれぎれ』
 『人生の聖』

町田康さんの作品を初めて読んでみましたみました。
まずは代表作からと、第123回芥川賞受賞作品の『きれぎれ』を読みました。

上手く言葉にできないのだけれど、人生の哀愁みないなものがじんわりと心に沁みました。
この言葉にできない部分で感じるのが、町田康作品なのかな。

主人公は、実家のスネをかじりながら、仕事もせずランパブに通いつめ、遊び暮らしている俺(僕)。
そのあげく、せっかくの(?)お見合いをめちゃめちゃにし、ランパブ嬢と結婚。
家族の間でも、多分、世間的にもダメダメ人間のレッテルが貼られている。
でも、ダメ人間なりに、自分のダメさ加減を自覚していて、同級生の成功にあせったりしている姿が痛々しい。
その中で、忘れてしまった(あきらめてしまった?)夢に向かって再び歩き出そうとしている思いに、じんとしました。
やはり、私は、ダメでもあきらめずに前に進もうと思うよ、みたいなのが好きなんだなぁ。

現実と主人公の妄想が入り混じっていて分かりにくいのだけれど、あまり考えずに文章に身をまかせて読むといいんじゃないかと思います。

『人生の聖』は、5編からなる短編集。
働くことがテーマになっていると思われます。
ぐうたらとか、できないヤツとか思われている人たちが主人公。
そんな人生上手くいかない人の気持ちの中に、共感できる部分が多々ありました。

読後、妙に印象に残ったのが、”成功した友人の美人な奥さんに玄関先でハムをいただく”、というシーン。
同じような場面が、『きれぎれ』にも『人生の聖』にも出てきます。
これが町田流劣等感の表現なのでしょうね。
それにしても、ハムですよ、ハム!

|

« 山村(サンチョン)の白菜キムチ | トップページ | 『地味めしダイエット(2)』横森理香 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29403/2630938

この記事へのトラックバック一覧です: 『きれぎれ』町田康:

« 山村(サンチョン)の白菜キムチ | トップページ | 『地味めしダイエット(2)』横森理香 »