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2005年2月28日 (月)

『BG、あるいは死せるカイニス』石持浅海

448801707BG、あるいは死せるカイニス
石持 浅海 (著)
東京創元社・2004/11

-----[ あらすじ ]-----
天文部の天体観測が行われた夜、姉が学校で殺害された。しかも、姉の着衣にはレイプの痕跡が残されれいた。レイプは女性が集団で男性を襲うものなのに…。姉はなぜ殺害されたのか?そして、姉の残した謎の言葉「BG」とは何か?
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なかなか、面白かったです。
ユニークな状況設定が得意な石持浅海ですが、この作品の舞台設定も面白い!
しかも、その設定を十分に活かした謎解きになっていているあたりは、さすがです。
特に、レイプ未遂の理由が、この世界観でしかありえないロジックになっており、おおっ!と思いました。
ただし、ところどころ苦しい部分も…。

論理的ロジックが冴えていた今までの作品と比較すると物足りないところもあるのですが、謎が謎をよぶ展開に学園もののよさも加わって、リーダビリティは高くなっているのではないかと思います。

作品の舞台は、人間は生まれたときは全員女性で、大人になってから一部の優秀な人のみが自然と男性に転換する、という世界です。
男性作家が考えた設定なので、女性の私が読むと感覚的に受け入れがたいというか、あまりに悪趣味で辟易するところがけっこうありました。
例えば、もし親友が男になったとしても、異性としては見れないような気がします。
ましてや、抱かれたいなんて…かなり無理ですからっ!!
男性読者は気にならないかもしれないけれど、女性は引っかかる人もいるんじゃないかなぁ…。
それと、設定とは分かっていても、「優秀な人が男性になる」と何度も言われると、女の私は正直ムカついてきますね(笑)。
一応、「生物として優秀」なのであって「人間として優秀」とは違うとフォローはされてますけど、これってフォローになってるんでしょうか?!

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コメント

これは魚の性転換の仕組みをヒントにして作られたんでしょうね.栄養状態の良い個体がオスになる仕組みです.生物学的な有利さは,基本的には高等生物になるにつれて,精子より卵子の方が大きくて,数が少なくなる傾向があるので,じゃあ限られた個体だけオスにすればいいだろう,という点に尽きます.では人間には,こういうメリットがあるのか,というといささか疑問.現在の人類は繁殖力も旺盛で,子供の死亡率も少ない.まあ有り得ない話ですが,SFですから勘弁してもらいましょう…

投稿: tantanmen | 2005年3月 1日 (火) 10:48

tantanmenさん、こんにちは♪
おおっ、鋭いですね!
作品中に、雌性先熟の性転換する生き物として「キンギョハナダイ」が出てくるんですよ~。
作品の設定には多少首をかしげる点もあるものの(笑)、よく考えられているなぁと思いました。
人類が性転換するようになったのはナゼか、の仮説もストーリーの流れの中で上手く説明されていて、かなり説得力がありましたよ。
なかなか面白かったので、機会があれば、読んでみて下さい!

投稿: Mana | 2005年3月 1日 (火) 21:57

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BG、あるいは死せるカイニス石持 浅海 東京創元社 2004-11-30by G-Tools 全人類が生まれたときには女性、一部の経産婦だけが男性に転換するという社会。男性化することは、生物的に優れている事の証であり、様々な特権を得ることが出来ます。ゆえに、多くの人々が男性化を望みます。 そんな社会で暮らす高校生・遥が主人公です。遥には、父親が男性化する前に生んだ、異母姉がいます。あらゆる点で優秀であり、男性化の筆頭と噂されていた彼女が、殺害された事が、物語の発端となります。 面白か... [続きを読む]

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