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2006年2月27日 (月)

『容疑者Xの献身』東野圭吾

4163238603容疑者Xの献身
東野 圭吾 (著)
文藝春秋 (2005/08/25)

-----[ あらすじ ]-----
花岡靖子は弁当屋で働きながら中学生の娘・美里と暮らしていた。ところが突然、靖子の前に離婚した夫・富樫が現れる。復縁を迫り金をせびるため、靖子の居場所を探し出したのだ。花岡親子が住むアパートにまで押しかてきて暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺害してしまう。隣室に住む高校の数学教師・石神哲哉はその洞察力で殺人に気が付くも、事件の隠蔽工作に協力することを申し出る。石神はその大学生時代に数学の天才といわれるほどの逸材であったものの、現在は高校教師に甘んじていた。そんな石神の前に大学で同級生だった湯川が現れ…。
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第134回直木賞受賞
2006年度版 このミステリーがすごい! 第1位
本格ミステリ・ベストテン 第1位
週刊文春傑作ミステリーベストテン 第1位

「探偵ガリレオ」シリーズの第3作目にして初の長編。

本を開いたが最後、ページをめくる手を止めることができず、一気読み。

純愛がクローズアップされている作品だけど、私は男の友情に胸を打たれた。
天才数学者といわれた石神、そして天才物理学者の湯川。互いにその才能を認め合う仲であり、石神にとっては対等に数学の話ができる唯一の友人でもあった。その湯川が石神の仕組んだトリックに迫ることになる。せっかく再会をはたしたのに…なんだか切ない。
そして、いつもは湯川と名コンビぶりを披露している草薙刑事だが、今回はお互いの立場から微妙に距離をおくことになる。二人の友情にヒビが入りはしないかとはらはらしつつも、相手の気持ちを汲み取って距離感を保てる関係は素敵に思えた。

伏線がかなりはっきりと書かれているので、話の途中でトリックが分かってしまうこともあるでしょうね。でも、もしトリックに気が付いてしまったとしても興味をそがれることはないと思う。石神が考えたトリックがどんなものか知りたいのはもちろんだけれど、それ以前に、この物語がどこに着地するのか見届けずにはいられない。

石神の愛のありかたに共感できた訳ではないけれど、彼が愛する人を守るためにこのような方法を取ったことは十分に理解できたし、湯川が最後にとった行動も納得のいくものだった。でも、これを純愛だと言われるとちょっと違う気はするけれどねー。結局、あくまで一方的な思いであって、相手の気持ちまで考えが及ばなかったんだろうなぁ…。

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» 容疑者xの献身 ["YOU" THFUL DAYS]
  “容疑者xの献身”      とりあえず、一言! 「あなた天才!」 ヽ(  ̄ [続きを読む]

受信: 2006年2月28日 (火) 12:31

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